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愛読書から人物像を探る、ぷらぷらの人気シリーズ「部長のおすすめ本」。二回目となる今回は、モビリティ事業部の特命部長である三浦さんにご登場いただきます!三浦さん流本の読み方から管理職だから感じている課題まで、たくさんお話しいただきました。
今日はよろしくお願いします! 三浦さんは普段あまり本を読まないとお聞きしていましたが……?
そうですね。1か月に何冊読もうという目標は特になくて、「この本面白そうだな~」と思ったら読む感じです。
本を読むのに私はすごく時間をかけているので、バーっと早く読めるわけじゃなくて。一冊をちょいちょい少しずつ進めていくのが私の読み方です。あと、私は読んでいる本の著者の講演動画なども観ています。そうするとその方が本を書いたきっかけや背景を理解できますし、内容もよく頭に入ってくるので。本を買ったらまず、ばばばーっと読んで大まかな内容をつかんで、そのあと動画を観てからじっくり読んでいく感じですね。
三浦さんならではの読み方ですね。じっくり読まれている本がどんなものか、とても気になります!全体的にはやっぱりビジネス書が多いですか?
私が本当に読みたいものはこじらせ系の少女漫画なんですけど(笑)、ビジネス書はわりとひとつのテーマをガッツリ掘り下げているものが多いですね。「人間とは何か」を、自分の中で読書のテーマにしているので、人とか人類とか、そんなジャンルのものが多いですね。
「人」に焦点をあてたものが多いのは、なにか理由があるんですか?
ハッキリした理由はないんですけど、硬派な「ビジネス書」になっちゃうと難しいし、自分の中でなかなか吸収できないっていうのがあって。ただ、人には興味があるのと、自分自身が仕事などで悩んだときに「これまで世の中にはどんな人がいたんだろう」と思いながら読んでいくと、ちょっと元気をもらえたり、参考になることもあるので、よく読んでいるのかもしれませんね。
今日お持ちいただいた中で、一番読みやすい本はどれですか?
『デジノグラフィ』です!
こちらはなにがきっかけで読もうと思ったんですか?
『アフターデジタル』という本が少し前に流行って、社内でも読んでいる方が多かったんですけど、「ちょっと違うジャンルのものを読もう」と探していたら、辿り着いたんです。身近に感じる内容が多いので、皆さんにもオススメの一冊です!
※取材時のみマスクを外しています。
具体的にはどんな内容が書かれていますか?
これはですね、世の中に溢れているデータに関する本なんです。たとえば、ネット記事を読むとき、どこまでスクロールするかによって、だいたいの年代が分かるとか(笑)。
あとは、「コロナで伸びた検索ワード」についてや、若い方が写真を撮るときは「笑顔」より「キメ顔」の傾向があって、それぞれどんな顔にするとか。不倫とバツイチに悩む40代女性や、「恋の悩みのワードマップ」なんていうのもあります(笑)。世の中にある溢れるほどの膨大なデータから、「こういうものが見えてくる」ということが書かれていたりします。
データで人を読み解き、生き方を見ていくんですね。
こういった本に書かれていることが、仕事の対人関係などに応用できる場合ってあるんですか?
ありますね。本で得た知識が、若い方の価値観を理解するために必要だったりします。この本の最後に、世の中に一般公開されているデータにはどんなものがあるのかという内容が書かれているんですけど、そういうのを見て、「これは仕事に生かせそうなデータだなぁ」と考えながら読んでいますね。
『人間の器量』は、歴史の中でどんな人がいたのかだったり、器量がある人物などについて語られている本です。
私が一番印象に残っているのは、西郷隆盛さん(以下、西郷さん)の話です。
西郷さんは常に他の人のために動いてきたので、西郷さんのことを恨んでいる人は誰もいないっていうのが書かれてあって。やっぱり、人のために何かをするということは、すごく大事なんだなと思いました。
この本にはいろんな人が出てきて、中には私と価値観が違う方もいますけど、でもその方なりの正義だったり、強欲な部分があったからこそ、今の日本があるというか。
私の人生の中でたくさんの人と出会ってきて、たまに分ちあえないこともあるんですけど(笑)、でもそういう人の一言が、もしかしたら会社を変えるのかもしれないと考え、多様性を受け入れようと思えるようにもなりました。
そう思うようになられたのは、これまで社内でさまざまな部署をご経験されてきたからでしょうか?
そうですね。もともと人には興味がある方ですけど、より人に関する本を読もうとするようになったのは、以前人事を担当していたことも関係あると思います。
PRAに入社して、最初は秋田センターの所属でしたが、その後は鹿児島センターの立ち上げにともない異動しました。世代の全く違う若い方たちがどんどん入社されて、接し方について戸惑うことはありましたね。みんなとどうやって上手くやっていこう、どうやったらわかってあげられるんだろう、という戸惑いが最初はありました。
多くは新卒での入社だったのでしょうか?
新卒も中途入社の方もいましたし、上層部には全く自分と違う環境の中で働いてきた出向の方もいまして。私の中で乗り越えなきゃいけない大きな壁ができたぞ~~みたいな(笑)。ただ、大変なこともあったけど、やっぱりいろんな方がいろんな物を見てこれまで生きてきたと思うので、そういうのを理解したうえで仕事をした方が自分自身前向きになれるし、気持ちも楽かなって思うようになりました。
鹿児島センターには立ち上げから何年くらいいらっしゃったのでしょうか。
鹿児島には約2年半いて、その後は本社で人事総務部、人財開発部(現在は、人事総務部人財開発室)という経歴です。
今はモビリティ事業部にいますが、外部と交渉するときに、この人は何を考えているんだろうとか、何を知りたいんだろうという局面で、本を読んで得たことが役立っていると思います。部署を異動し、初めて一緒に仕事をすることになったメンバーに対して、それぞれどんなふうに仕事をしてきたのかなとか、相手の事を知ろうとしたり、理解したいと考えていますね。
部長は常にいろんな方との関わりがあると思いますが、逆に自分自身を知るということも大事になってきますか?
そうですね。自分が大変なときもこういう本を読みながら、本の中に登場する人たちに比べたら、私の思っていることなんかゴミみたいだなんて思いながら(笑)、勇気づけられることもたくさんあります。
他にもオススメの本はありますか?
はい、これもぜひ読んでほしい、『21Lessons』という本です。
例えば、何か欲しいときにネットで検索をすると、「あなたへのおすすめはコレです」とか、「このキーワードに合うのはコレです」って次々に候補が出てくると思うんですけど、そんなふうにいろんな情報にアクセスしやすくなっているからこそ、自分の意思が弱くなったり、自分自身を失いかけたり、自分自身を見つめる時間がだんだん少なくなってきているんじゃないかって気づかされる本です。
AIや他人に左右されるんじゃなくて、「自分のことは自分が一番わかっている状態」になっていないと、いつかはデータを操る人に、人が支配されてしまうということが書かれています。自分自身の感じたことをちゃんと大事にしようと思ったのは、この本がきっかけでした。これは深いですよ。
SNSの普及によって、情報に惑わされて周囲の空気を読みすぎたり、自分らしさを出せなくなっていることもありますよね。
そうですね。それで、『21Lessons』の著者が最初に書いたのが『サピエンス全史』という本なんですけど、
これには、もともと虚構というか、人間は嘘をつくからこれだけ発達してきたのだという内容が書かれています。
読んで思ったのは、今でいえばインターネット上に溢れる正しくない情報を信じてしまうことや、嘘や繕うことで集団が動いてしまうのはよくないし、本質をちゃんと見るようにしないといけないなということです。
いろいろなデータから見えてくることや答えはあるとは思うんですけど、でも自分自身の答えはちゃんと自分で出せるようにならないといけないと思います。
「私はこういう人だ」という気持ちをきちんと持っていようと思うのは、お仕事・プライベートの両面で、ですか?
私自身、あまり自分というものがない人間だからこそ、この本に気付かされたことがいろいろありました。
仕事では、たとえば周りの方たちが私に「どうしたらいいんでしょう?」と答えを求めてくれるのはすごく自分としては嬉しいことではあるけれど、なんでもかんでも私が答えを出したら、その方の意思で決めたことでは無くなってしまうので、仕事がつまらなくなってしまうんじゃないかなって思うんです。だからこそ、なるべくみんなの意思というか、考えをちゃんと聞きたいなとは思います。
もしかしたら、「相談や質問をしても、いつもハッキリ答えをくれなくて面倒くさいな!」と思われてしまうかもしれないんですけど(笑)。やっぱり、「自分ごとにする」とか「自分の行動に責任を持つ」ことが大事だと思うんで、そういうことをこの本は教えてくれる部分もありました。
三浦さんはすごく相談しやすいというか、受け止めてくれそうな雰囲気を感じています。
ありがとうございます!恥ずかし~(笑)。
『ビジョナリーピープル』はどんな本でしょうか?
これは勇気をもらうための本かなと思っていて。成功した人たちの話と、名言が書かれています。たとえば「自分の仕事にベストを尽くす」という言葉がありますけど、なんでこれをしなきゃいけないのかとか、最初は目的とか意味を確認しながらお仕事することが多いと思うんですけど、目の前にあることに「まずは取りかかろう!」っていう勇気を持つために読んだりすることがあります。
悩んで立ち止まることはありますか?
あまりないですけど、反省することがあったり、「どうしよう」と悩んだりするときには本を読むことが多いかもしれないですね。
問題解決のきっかけを本から得ることもありますか?
ありますね。ただ、視野が狭まっているとき、本に答えを見つけにいこうとすると絶対に見つけられないと思っていて、本から答えを得ようというよりは、趣味の登山をしているときにふと、「そういえばあの本にはこんなことが書いてあったな~」と思い出すことはよくあります。
管理職の仕事って、大変なのではと思いますが……?
管理職である以上、自分なりに「こうでなきゃいけない」と意識しているときはすごくあります。
ただ、いろいろな本を読んだうえでしているのは、「雑音を入れないようにする」ことです。今日は持ってきていないんですけど、『反応しない練習(草薙龍瞬/著)』という本はためになりました。なんとなく自分が噂されていると感じたときでも、いちいち反応しない。悟りを開くというか(笑)。
みなさんにもそうであってほしいと思っていて、今はSNSがすごく普及しているから、たとえば自分に対しての嫌な書き込みをされて、それを発見してしまうこともあるかもしれない。でも、いちいちそこには反応しないでほしいですし、そう思っている人なんてほんの一部だけであって、多くの人はそう思ってないはずです。噂話のひとつやふたつで、心を揺さぶられてほしくないなって思いますね、とくに管理職を目指している方には。鈍感力が大事ですね。私はもともと鈍感ですけど(笑)。
部長として部をまとめなければいけないけれど、独断的ではいけないし、かといって部下に任せっきりもよくないなど、そういうバランスはどうとっているんですか?
部長の立場として「ここは決めなきゃいけない」って思ったら自分で決めますし、それが間違っていたとしても、ちゃんと謝ればいいって思っているところもあって(笑)。決断したあとで、もうちょっとみんなと調整すればよかったかなと思うことはいっぱいあるんですけど、それは次に生かそうって考えています。でも、常にポジティブに考えすぎちゃってるので、みんなを困らせてしまっていることが多いかもしれないです(笑)。
今の自分の課題は、「みんなが決めたことに、それ以上口を出しちゃいけない!」ということで、これがなかなか難しかったりしますね。
お話をお伺いしていると、やはり人との関わり方が大事になってくるんですね。
そういう部分もあると思いますね。仕事の難しさは、人と人との荒波をどう乗り越えていくかが大変でもあるので。
いろいろ悩まれたからこそ「人とは」という根本を見つめなおすために本を読まれて。そこに響くものがあるのかもしれませんね。
本当にそうだと思います。
女性の場合は、結婚や子育てがあるからバリバリ働き続けるのは無理だと思っている方も多いと思います。そういう方に対してご自身の経験などからなにか伝えたいことはありますか?
私は独身なので同じ立場に立って考えることはできませんが、子育てをしながら働いている方と接するときに、「結婚や子育てを、仕事をするうえでの足かせと思う必要はないし、自分が不利な状態だと思う必要もないんじゃないのかな」と話をすることがあります。
バイアスをかけすぎちゃいけないと思っています。自分自身も、他人に対しても。
たとえば出張のチャンスなどがあった時には、「あの人、子供小さいからな……」と思って声をかけないなんてことはなくて、「出張行ってみない?行けそう?」など平等に声をかけるようにして、本人が望めばチャンスを与えるようにしています。
「私は家庭があるから、きっと管理職にはなれないし、管理職の候補にも挙がっていない」って思うんじゃなくて、本人もフラットに考えてほしいです。
バイアスを外して人を見ることができるような会社にしていきたいです。
オリジナルな本の読み方や部長ならではの視点など、大変勉強になりました!三浦さん、ありがとうございました!
「普段あまり本は読みません!」とおっしゃる三浦さん。そんな三浦さんがセレクトする本は、「人」にまつわるものが数多くありました。バイアスをかけずにフラットに人をみているという姿勢や、自分の感性を信じることの大事さを改めて感じることができました。
次回の「おすすめ本」シリーズも楽しみにしていてください♪
取材/山本幸代 写真・文/菅原愛美(ともに総合企画部)