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愛読書から人物像を探る、ぷらぷらの人気シリーズ「役員のおすすめ本」。今回は取締役執行役員総合企画部長である、木下さんがご登場!学生時代はラグビー一色の毎日だったという木下さん。ラグビーを通じて培われた熱い魂が本選びにも表れていました。
木下さんのおすすめ本、たくさんありますね! 普段読まれているのはビジネス書が中心ですか?
そうですね、ビジネス書がほとんどです。ビジネス書の中でさまざまなジャンルのものを読んでいて、今回は、「インプット」「時流」「リーダー」とおおまかに3つのジャンルからピックアップしました。
『両利きの経営』という本はシンプルだけど目を引く装丁ですね。付箋もたくさんついていて、読み込まれている感じがします。
この本は数年前から愛読していて、企業が成長していくためには両利きの経営、「知の深化」と「知の探索」が不可欠だということが書かれています。プライムアシスタンス(以下、PRA)が経営方針に掲げる「既存事業の深化」と「新たな社会価値の創造」もまさに同じで、この本は何回も読み返していますが、とても勉強になります。
本を読みながら木下さんご自身の考え方を振り返ったり、「これでいいんだ」と再確認したりするイメージですか?
そうですね。総合企画部長として、世の中の動きとともにPRAの将来もしっかり考えていく必要があって、「こういう考え方で合っているかな」「頭の中のモヤモヤを、どう整理できるかな」と思いながら読むこともあります。
ちょっと難しそうな内容かな……、と思ってしまうところもありますが、管理職ではない方も読み進められますか?
もちろん面白く読めると思いますよ。このほかに『アフターデジタル1・2』はぜひ読んでいただきたい本のひとつです。これは「DX(デジタルトランスフォーメーション)」についてのもので、中国ではどのようにDX化が進んだかについて、またデジタル化したあとのビジネスの在り方なども書かれています。今はデジタルでさまざまなものがつながる時代で、ユーザー側の視点で会社をどう変革していくべきかを考えさせられます。
木下さんは日々読書されている印象ですが、1日のうちでいつ読まれているんですか?
通勤時間は本の内容に集中できるので必ず読んでいますね。でも平日は読書の時間がしっかりとれないので、休日が多いです。一時期は年間100冊を目標に読書していたけれど、今は月に3~5冊くらいですね。
学生時代からよく本は読まれていたんですか?
学生時代はあまり読まなかったので、今になって「学生のころもっと本を読んでおくべきだった」と後悔しています。やっぱり本は若いころから読んだほうがいい。本当は、なにかを成し遂げたり、経験している人に直接話を聞くことが一番自分の成長につながるけれど、大企業の社長や著名人に気軽に会えるわけではないですよね。でも本を読めば、その人の考え方や生き方を知ることができます。本は知識を得るためには欠かせないものだと思うので、ぜひみなさんにもたくさん本を読んでほしいですね。
真っ赤なカバーが印象的な『達成力』はまさに、そういった1冊ですか?
これは32人のリーダーが、それぞれどのような考え方をもっているのかを知ることができる内容で、実現する力、やり遂げる力が大事なのだと改めて思わせてくれます。少し古い本ですが、柳井正さんや山中伸弥さん、羽生善治さん、小池百合子さんなど、たくさんの方のこれまでの経験から得たことが書かれていて、やはり「人の声」というのはすごく刺激になります。
インタビュー形式で書かれていて、読みやすそうですね。
それから、京セラ、KDDIの創業者である稲盛和夫さんの書籍が好きで何冊か持っているんですけど、とくに『リーダーのあるべき姿』は集大成ともいえる名著だと思います。稲盛和夫さんはとても謙虚な方で、この方の「利他の心」という言葉があって、自分中心の利己の心ではなく、利他の心で判断することで視野が広がり、正しい判断ができるとおっしゃっているんです。本当の名経営者だと思うし、この方の本を読むたびに、やはり会社にとって大切なのは従業員なのだと感じます。
直球な質問ですが、リーダーや人の上に立つのは、やはり大変ですか?
大変だとは思いますが、おそらくリーダーの多くの人が感じていることで、やりがいがあるからしているのだと思います。もちろんやりがいがあるぶん、責任も大きいので日々悩むこともあります。うまく結果が出ないこともありますし、なにか迷ったとき、こういったリーダー本を読み返していますね。あとは基本に戻るときもそう。素の自分に立ち返るときとか。
今年の春、PRAへ着任される前も立ち返られるときはありましたか?
ありました、ありました。そのときにも読み返しています。『リーダーのあるべき姿』は自分にとってのバイブル的な存在で、本を読み返して自分に言い聞かせて、奮い立たせているのかもしれないですね。きっと本を通じて刺激を受ける機会がないと考えなくなっちゃう。そういう意味では怠け者なのかもしれません(笑)。
今回ご紹介いただいたビジネス系書籍以外で、大切にされている本はありますか?
『宿澤広朗 運を支配した男』は2007年初版の少し古い本なのですが、とても刺激を受けたもので、今でも大切にしています。宿澤さんは同じ大学ラグビー部の偉大な先輩、のちにラグビー日本代表の選手、また監督としても活躍された方です。一方では企業人としてもリーダーシップ・決断力・実行力に富み三井住友銀行にて取締役専務になられ、将来の頭取になるのではと嘱望されていた方です。
本にはラグビーに関するエピソードを通じて「努力は運を支配する」という宿澤さんの言葉があり、運というものは、圧倒的な努力をしたあとに必ず舞い降りてくるものだと、私は信じています。この言葉にとてもひかれて「現状に妥協してはいけない。もっと自分も努力しなきゃ」と、心に刺さりました。運は偶然やってくるものではないし、努力をしない人には運は降りてこない。そういう宿澤さんの考えや生き方が書かれています。偉大な先輩の生き方をこの本で知ることができたことは本当に良かったと思っています。
ラグビーでの経験が、今に生きていることは多いですか?
ラグビーって、身体の体格差によって担当するポジションが自然と決まってくるところがあるのですが、どちらにしてもその人の強みを生かすスポーツではあるんです。組織のメンバーの強みをどう生かしていこうかと考えるところは、ラグビーと通じるものがあるかなと思います。
それから、ラグビーは自己犠牲のスポーツでもあって、自分がタックルされてもいいからボールをつないでトライするんです。もちろんタックルするのもされるのも怖くて痛いけれど、そこで勇気のないタックルをしたり相手から逃げたりすると、チームはしらけてしまう。仲間を信頼し裏切れないスポーツでもあるんですよね。
そういった経験があるからこそ、会社や部署の仲間を大切に思う気持ちも強いのかもしれないですね。
組織をどう束ねていこうとか、どう結果を出していこうかというのは、仕事にも通じているから、ラグビーの精神が生きているというのはあるのかもしれないですね。
ラグビーへの情熱が、今の木下さんにつながっているのですね。木下さんありがとうございました。
「僕は天才型じゃないから、1を知って100を理解するようなタイプじゃないんです」とおっしゃる木下さん。努力を重ね、ひとつひとつ確実に自分のものとしていく「完全努力型」の一面が、セレクトされた本からも伝わりました。
役員のおすすめ本企画、次回からは「部長のおすすめ本」としてリニューアルします。どなたが登場されるのか、楽しみにしていてください!
取材・文/山本幸代 写真/菅原愛美(ともに総合企画部)